ナスは油をどこまで吸う?吸わせないコツと子供に人気のナス料理5選
ナス料理を作る際、「ナスは油をどこまで吸うのだろう」と不安に感じた経験はありませんか。
ナスと油との相性は抜群で、炒め物や揚げ浸しは格別のおいしさですが、調理中にナスがどんどん油を吸い込んでしまい、べちゃっとした仕上がりになって失敗、後悔した方も少なくないはずです。
この記事では、そんな悩みを解決するために、油を上手に使ってナスの魅力を最大限に引き出す方法を解説します。
油を吸わせない方法や、べちゃっとさせない油炒めのコツ、さらには調理後の油切れを良くするテクニックまで、プロの知恵をご紹介します。
また、ナス炒めによく合う調味料の組み合わせや、おいしいナスの選び方と保存法、知っているようで知らないナスの栄養素についても触れていきます。
「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざの本当の意味や、ナスがなぜ嫌われるのかという疑問にもお答えします。
最後に、子供に人気のナス料理も紹介しますので、ぜひ毎日の食卓にお役立てください。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
- ナスが油を吸いすぎる原因と科学的な理由
- 油の使用量を抑え、ナスを美味しく仕上げるための具体的な下ごしらえと調理法
- 新鮮なナスの見分け方や栄養を逃さないための知識
- ナスが苦手な理由を克服し、子供も喜ぶレシピのヒント
ナスは油をどこまで吸う?調理の疑問

- ナスと油との相性は抜群
- 油を吸わせない方法と下ごしらえ
- べちゃっとしない油炒めのコツ
- 調理後の油切れを良くするひと手間
- ナス炒めによく合う調味料
ナスと油との相性は抜群

ナスと油の組み合わせが美味しい理由は、ナスの果肉の構造にあります。
ナスの果肉は約93%が水分で、中はスポンジのように細かい隙間が無数に空いた構造をしています。このため、加熱調理の際に油に触れると、スポンジが水を吸うように油をぐんぐん吸収します。
油を吸ったナスを加熱すると、中の水分が蒸発すると同時に油が熱せられ、果肉がとろりとした食感に変化します。これが、油で調理したナスがジューシーで美味しく感じられる仕組みです。
また、油には風味を閉じ込め、コクをプラスする効果もあります。ナス自体は淡白な味わいですが、油と一緒に調理することで、ナスの持つ甘みや風味が引き立ち、満足感のある一品に仕上がります。
さらに、後述するナスの栄養素の中には、油と一緒に摂ることで吸収率が高まるものもあり、栄養面から見ても理にかなった組み合わせと言えます。
油を吸わせない方法と下ごしらえ

ナスの美味しさを引き出す油ですが、吸わせすぎるとカロリーが気になるだけでなく、料理が油っぽくなり味が損なわれる原因にもなります。
そこで、調理前にひと手間加えることで、ナスの吸油を抑える方法がいくつかあります。
塩を振る・塩水につける
切ったナスに塩を振ってしばらく置くか、塩水に5分ほどつけてから調理する方法です。
浸透圧の働きでナスから水分が抜け、果肉のスポンジ状の隙間が水分で一部埋まります。これにより、油が入り込む余地が少なくなり、吸油を抑えることが可能です。調理前には、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ることが大切です。
油でコーティングする
炒める前に、切ったナスに直接少量の油(ナス2本あたり大さじ1程度)を回しかけ、手で揉み込むようにして表面をコーティングします。こうすることで、調理中に余分な油を吸いにくくなります。
フライパンで炒める際は、新たに追加する油の量を減らすか、油を引かずに調理できるため、結果的にヘルシーに仕上がります。
電子レンジで加熱する
油で炒める前に、ナスを電子レンジで加熱しておくのも効果的な方法です。
ナスに火がある程度通ることで、自身の水分で細胞の隙間が埋まり、油を吸いにくくなります。また、加熱によってナスがしんなりするため、炒め時間を短縮できるという利点もあります。
加熱の目安は、ナス2本あたり600Wで2分~3分程度です。加熱しすぎると食感が損なわれるため注意しましょう。
片栗粉や小麦粉をまぶす
切ったナスの表面に片栗粉や小麦粉を薄くまぶしてから調理する方法です。
粉がナスの表面に膜を作り、油が内部に侵入するのを防ぎます。この方法は、揚げ物やあんかけ料理など、とろみをつけたい料理にも適しています。
衣がカリッとした食感を生み出し、香ばしさも加わります。
べちゃっとしない油炒めのコツ

下ごしらえをしても、炒め方次第では仕上がりが油っぽくなってしまいます。プロが実践する、少ない油でジューシーに仕上げるためのコツをご紹介します。
最大のポイントは、「油を途中で足さないこと」と「じっくり待つこと」です。
多くの人が、ナスが油を吸ってフライパンが乾いてくると、焦げ付くのを恐れて油を追加してしまいます。これが、べちゃっとした仕上がりになる最大の原因です。
まず、フライパンにナスと適量の油を入れて中火強にかけ、ナス全体に油を吸わせるように転がしながら焼き付けます。ナスが油をすべて吸ってしまっても、慌てずにそのまま加熱を続けてください。
しばらくすると、ナスが吸いきれなくなった余分な油と、内部の水分がじわじわと外に出てきます。
この状態になるまで、ヘラなどで絶えず混ぜるのではなく、あまり触らずに焼き付けるように火を通すのが理想です。
全体にこんがりと焼き色がつき、皮がカリッとして甘い香りがしてきたら、美味しく仕上がった合図です。
調理後の油切れを良くするひと手間

ナスを炒めたり揚げたりした後に、もうひと手間加えることで、余分な油を取り除き、よりさっぱりと美味しく食べられます。
最も簡単な方法は、調理後のナスをキッチンペーパーを敷いたお皿やバットの上に置き、余分な油を吸わせることです。揚げ物の場合は、油から引き上げた直後に、立てかけるようにして網の上に置くと効率的に油が切れます。
油は熱いうちの方が流れ落ちやすいため、調理後すぐに油切りを行うのが効果的です。
また、炒め終わったフライパンを少し傾け、溜まった油をキッチンペーパーで拭き取ってから盛り付けるだけでも、仕上がりの油っぽさは大きく変わってきます。
こうした少しの工夫で、料理の口当たりが軽やかになり、素材の味をより楽しむことができます。
ナス炒めによく合う調味料

ナスは淡白な味わいのため、さまざまな調味料との相性が良い野菜です。油で炒めたナスに合わせることで、ご飯が進む一品が手軽に作れます。
- 味噌: 味噌、砂糖、みりん、酒などを合わせた甘辛い味噌だれは、ナスとの相性が抜群です。豚肉やピーマンと一緒に炒めれば、満足感のある主菜になります。
- 醤油: 醤油をベースにした和風味も定番です。生姜やニンニクを効かせたり、みりんや砂糖で甘みを加えたりと、アレンジは自在です。鰹節を加えれば風味が一層豊かになります。
- 中華風: 豆板醤や甜麺醤を使った麻婆なすは、子供から大人まで人気のメニューです。オイスターソースや鶏がらスープの素を使えば、コクのある本格的な中華炒めが楽しめます。
- 甘酢: 酢、醤油、砂糖を合わせた甘酢だれは、炒めたナスをさっぱりと食べさせてくれます。鶏肉や豚肉と一緒に炒めて南蛮風にするのもおすすめです。
- トマトソース: 米なすなど、果肉がしっかりしたナスはトマトソースともよく合います。鶏肉や玉ねぎと一緒に煮込めば、洋風のおしゃれな一品が完成します。
素揚げしたナスを醤油ベースのタレに付け込んだ揚げナスは、とにかくご飯がモリモリとススむ一品です。呑みのおつまみにもピッタリですので、【お弁当に最適! ごはんがモリモリとススム揚げナスと揚げピーマン】をぜひ一度のぞいてみてください。
また、美味しいご飯を炊くためには、美味しいお水と最高峰の炊飯器が必要ですが、当ブログ【foodable最高峰モデル炊飯器と銘柄米の定期購入サービスで最高に美味しいおにぎり作り】【プレミアムウォーターの水の味はまずい?噂の真相と評判を徹底解説!】を参考にすると、きっと美味しいお米を炊くことができますよ。
「ナスは油をどこまで吸うか」以外の雑学

- おいしいナスの選び方と保存方法
- 知っておきたいナスの栄養素
- 「秋茄子は嫁に食わすな」の本当の意味
- ナスがなぜ嫌われるか?食感と理由
- 子供に人気のナス料理5選
おいしいナスの選び方と保存方法

美味しいナス料理を作るには、まず新鮮で質の良いナスを選ぶことが大切です。スーパーで選ぶ際には、以下の3つのポイントを確認しましょう。
おいしいナスの選び方
- ガクのトゲが鋭い: ナスのヘタ(ガク)の部分にあるトゲが、チクチクと痛いくらいに尖っているものが新鮮な証拠です。収穫から時間が経つと、トゲはしなびてきます。
- 皮にツヤとハリがある: 皮の色が濃く鮮やかで、表面にシワがなく、ピンとハリがあるものを選びましょう。ツヤがあるものは水分が豊富に含まれています。
- ずっしりと重い: 手に持った時に、見た目の大きさ以上にずっしりと重みを感じるものは、果肉が詰まっていてみずみずしい証拠です。軽いものは、中で水分が抜けてスカスカになっている可能性があります。
ナスの正しい保存方法
ナスは低温に弱い野菜のため、保存方法には少しコツがいります。
- 冷蔵保存: ナスを保存するのに最適な温度は5度以上と言われており、冷蔵庫の中でも温度が比較的高い野菜室が適しています。保存する際は、1本ずつラップで包むか、キッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、水分の蒸発を防ぎましょう。この方法で、1週間から10日ほど保存が可能です。
- 冷凍保存: 長期保存したい場合は冷凍が便利です。使いやすい大きさにカットし、変色を防ぐために5分ほど水にさらしてから、水気をしっかり拭き取ります。その後、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、冷凍庫で保存します。調理する際は、解凍せずに凍ったまま使いましょう。約1ヶ月ほど保存できます。
知っておきたいナスの栄養素

ナスの約93%は水分ですが、残りの部分には私たちの健康維持に役立つさまざまな栄養素が含まれています。特に注目したいのは、皮の紫色の色素成分です。
ナスに含まれる主な栄養素
- ナスニン: ナスの皮の美しい紫色のもとになっているポリフェノールの一種です。アントシアニン系の色素で、強い抗酸化作用を持つことが知られています。体内の活性酸素の働きを抑え、老化や生活習慣病の予防に役立つと期待されています。
- カリウム: 体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあり、高血圧の予防や、むくみの改善に効果的です。夏場は汗とともに失われやすいミネラルなので、水分とミネラルを同時に補給できるナスは夏バテ予防にも適した食材です。
- 食物繊維: 腸内環境を整え、便通を改善する効果があります。また、血糖値の急激な上昇を抑える働きも期待できます。
- 葉酸: 「造血のビタミン」とも呼ばれ、赤血球の生産を助ける働きがあります。特に妊娠を計画している女性や妊婦にとって重要な栄養素です。
- ビタミンKとβ-カロテン: これらは脂溶性ビタミンと呼ばれ、油に溶けやすい性質を持っています。そのため、油を使った炒め物や揚げ物にすることで、体内への吸収率が格段にアップします。ただし、前述の通り、油を使うとカロリーは高くなるため、調理法はバランスを考えて選ぶことが大切です。
| 調理法 | カリウム (mg) | β-カロテン (μg) | ビタミンK (μg) | エネルギー (kcal) |
| 生 | 220 | 100 | 10 | 18 |
| 茹で | 180 | 98 | 10 | 17 |
| 油炒め | – | 190 | – | 73 |
| 天ぷら | – | – | 22 | 165 |
「秋茄子は嫁に食わすな」の本当の意味

「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざを聞いたことがある方は多いでしょう。このことわざには、一般的に3つの異なる解釈が存在すると言われています。
1. 意地悪な姑説
最も広く知られているのが、「秋に収穫されるナスは特に美味しいので、憎い嫁には食べさせたくない」という、姑の意地悪な気持ちを表したとする説です。
封建的な時代の嫁姑関係を背景にした解釈です。
2. いたわる姑説
一方で、嫁の体を気遣う優しさから生まれたという、正反対の説もあります。
ナスには体を冷やす性質があるとされているため、涼しくなる秋にナスを食べると、大切な跡継ぎを産むお嫁さんの体が冷えてしまうことを心配した、という解釈です。
また、秋ナスは種が少ないことから、「子宝に恵まれなくなる」という縁起を担いだ、という説もあります。
3. ネズミ(夜目)説
実は、ここでの「よめ」は「嫁」ではなく、「夜目(よめ)」、つまりネズミを指しているという説です。
鎌倉時代の和歌集に「よめにはくれじ(ネズミにはやるな)」という一節があり、これが語源ではないかと言われています。
「こんなに美味しい秋ナスを、ネズミに食べられてたまるか」という、ナスの美味しさを強調した意味合いになります。
どの説が正しいかは定かではありませんが、いずれの説も秋ナスが格別に美味しいことを物語っています。
ナスがなぜ嫌われるか?食感と理由

ナスは好きな人がいる一方で、苦手な野菜として挙げる人も少なくありません。
あるアンケート調査によると、ナスが嫌われる主な理由として、以下のような点が挙げられています。
- 食感が苦手: 「皮のキシキシした食感が嫌い」「加熱した後のグニュっとした、ふにゃふにゃの食感が苦手」という声が最も多く聞かれます。食感の好みがはっきりと分かれる野菜と言えます。
- 見た目や色が苦手: 「皮のテカテカした紫色が虫を連想させる」「調理すると料理全体がどす黒い色になるのが嫌」といった、見た目に対するネガティブな意見もあります。
- 味がない・えぐみがある: 「味がしないから食べる意味がわからない」「アクが強く、苦味やえぐみを感じる」という意見もあります。
これらの苦手な点を克服するためには、調理法を工夫することが有効です。
例えば、皮の食感が苦手な場合はピーラーで皮を縞目にむいたり、グニュっとした食感が嫌な場合は、水分を飛ばすようにオーブンで焼いたりすると、しっかりとした歯ごたえが残ります。
また、色が悪くなるのが気になる場合は、皮の色素が流れ出さない白ナスや青ナスを使ったり、油で揚げることで色鮮やかに仕上げたりする方法があります。
子供に人気のナス料理5選

ナスが苦手な子供でも、調理法や味付けを工夫することで美味しく食べられるようになります。ここでは、子供に人気のナスレシピを5つご紹介します。
辛くない麻婆なす

豆板醤を使わず、味噌や砂糖、醤油をベースにした甘めの肉味噌あんでナスを絡めます。ひき肉の旨味と甘い味付けで、ご飯が進みます。ナスを一度揚げ焼きにしてから加えると、とろりとした食感になります。
鶏むね肉となすの甘酢炒め

酢、砂糖、醤油にケチャップを少し加えた甘酢あんは、子供が大好きな味付けです。片栗粉をまぶして柔らかく仕上げた鶏むね肉と、とろとろのナスがよく合います。
ナスの豚バラ肉巻き

薄切りにしたナスに豚バラ肉を巻きつけて、甘辛い照り焼き味で仕上げます。お肉の旨味がナスに染み込み、ナスが苦手な子供でも食べやすい一品です。
なすのそぼろ丼

細かく刻んだナスとひき肉を甘辛く煮て、ご飯の上にのせれば完成です。ナスが細かくなっているので、食感が気になりにくく、そぼろと一緒にペロリと食べられます。
チキンとなすのトマト煮込み

鶏肉となすをトマト缶でじっくり煮込みます。トマトの酸味と旨味がナスに染み込み、洋風の味わいが楽しめます。チーズをのせて焼けば、子供が喜ぶグラタン風にアレンジも可能です。
ナスが油をどこまで吸うかを知り美味しく

この記事では、「ナスは油をどこまで吸うのか」という疑問を起点に、ナスを美味しく調理するための様々な情報をご紹介しました。
最後に、記事の要点をまとめます。
- ナスが油をよく吸うのはスポンジ状の果肉構造が理由
- 油で調理することでナスはとろりとした食感になり風味が増す
- 油を吸わせすぎない下ごしらえには塩水につける方法がある
- 調理前にナスを油でコーティングするのも有効
- 電子レンジでの事前加熱は吸油を抑え時短にもつながる
- 片栗粉をまぶすと油の侵入を防ぎカリッとした食感になる
- 油炒めの最大のコツは油を途中で足さずじっくり待つこと
- ナスが一度吸った油は加熱を続けると外に出てくる
- 調理後はキッチンペーパーで余分な油を切るとさっぱりする
- 美味しいナスはガクのトゲが鋭く皮にハリとツヤがある
- ナスは低温に弱いため野菜室での保存が最適
- 皮の紫色の成分ナスニンには強い抗酸化作用がある
- 油と一緒に摂ると吸収率が上がる栄養素も含まれる
- 「秋茄子は嫁に食わすな」には複数の解釈が存在する
- ナスの苦手な食感は調理法を工夫することで克服できる
- 子供には甘辛い味付けや肉と組み合わせたレシピが人気

